そこで、今回ご紹介するのは、こちら「福岡のまいにちカレー :上野万太郎著書」
この本の帯には次の言葉が大きく書かれている
カレーの数だけ物語がある
カレーが好きじゃないと分からないと思うが、思わず頷いてしまう。
最初に伝えておこう、この本は福岡の美味しいカレーを紹介する本では無い。いや美味しいカレーも紹介しているけど、それだけじゃない。
今、福岡はカレーブームでカレーシーズンとも言える夏になったので、旨いカレーを知りたければ、福岡の月刊情報誌をめくったり、福岡ローカルの情報番組を見てれば自ずと美味しいカレー、評判のカレー、人気のカレーがわかる。インターネットでちょっと調べれば、福岡のカレー情報はほぼ網羅できるんじゃなかろうか?
この本に載っているカレーも、既に人気店だったり雑誌やTVで既に紹介されているカレー屋さんがほとんどで、紹介本として読むと新しく発見できるカレー店は数少ない。
しかし、この本の面白いところはカレーにピントを合わせた紹介本では無いと言うところ。カレーを作る人だったり、カレー屋店主さんにフォーカスを合わせている。その人がなぜカレー屋を始めたのか、その人がなぜカレーを好きになったのか、その人がなぜ?と他の本や雑誌では語られないところに焦点を合わせている。
誰でも1冊ぐらい偉人達の伝記を読んだことがあると思う、エジソンやチャップリン、本田宗一郎や松下幸之助、スティーブ・ジョブズなど誰かしらの伝記を読んだことはありませんか?
この「福岡のまいにちカレー」もそんなノリの本だと思います。1人(店舗)1人(店舗)のページ数は少ないが、その人のカレー作りに対する情熱や意気込み、成り立ちなどを紹介しています。昔、エジソン伝記を読んで「そんな事を思って電球を発明したのか」とか「あの映画はそんな意図があったのか」と感じたように、この本も同じように感じます。
当たり前のことだが、カレーの作り手も1人1人個性を持った人間であり、それぞれ想いがあってカレーを作っている。この本を読むと、それが良く分かる。だからこそ「カレーの数だけ物語がある」に結びつく。
本には、こんな一文がある“美味しく食べるためにちょっとしたお手伝いになれば嬉しいなと思って書いた”、カレーだけに限った話では無いが、“美味しい”と感じるのは食べる側にある。提供する側は“美味しい”と感じてもらうために、素晴らしい食材を使ったり、素材の味を活かすために腕を磨いたり、見て美味しいと思う器を用意したり、美味しく感じる店の雰囲気を作ったりしている。これは全て、提供側が作り出している“美味しい”になる。この本を読むことで少しだけその店の、その店主の、その料理人の想いを知り、食べ手側からも“美味しい”に近づける気がする。食べ手側も自分から歩みよることで、いつも以上に“美味しい”を感じるのではないだろうか。創り手と使い手(食べ手側)がチカラを合わせていつも以上の作品(“美味しい”)を産み出せる気がする。そんな事を考えさせられた一文だった。
夏本番!!やっぱり夏はカレーでしょう。熱い福岡のカレーブーム乗っとかなきゃもったいない。この本を読んで、美味しいカレーを食べに行きましょう!!
結び
この本を読んで、掲載しているカレー店へ行き店主さんや料理人さんと話すと、みんな「上野万太郎さんには、感謝しています。」と答える。この本を読んで来ましたってお客さんが増えることも嬉しいと思うが、それよりも創り手の想い、考えていることを書いてくれたことに感謝しているようだ。雑誌やTVでは紹介されない一面を書いてくれたことに感謝しているように聞こえた。
ちなみに、上野万太郎氏のブログはこちら(万太郎.net:http://mantaro.net/)
で、この本のカレー屋さんを巡ろうって企画がこちら(「福岡のまいにちカレー」を回ろう企画)
なお、この上野万太郎氏は、「福岡カフェ散歩」って本も出している。
同じように『「福岡カフェ散歩」本を回ろう』って企画もやってたのだった(笑)
0 コメント for "書籍/「福岡のまいにちカレー」上野万太郎著書"
コメントを投稿